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2007年2月 4日 (日)

無資格助産事件

http://www.asahi.com/health/news/TKY200701310419.html

横浜の堀病院であった無資格助産事件です。

みなさんご存知ですか?不起訴となりました。良かったです。

これが起訴されて、有罪にでもなったら、日本の分娩施設の40%以上がなくなり、お産するところが本当になくなるところでした。

一連の報道からは、資格のない看護師に助産をさせてとんでもない話だ!というかんじでしょう。

しかし、これには法律の解釈の違いがあり、今まで良いとされてきたことが、急に(ある圧力によって)変えられたことによる現場の混乱なのです。

興味のある方だけ続きをどうぞ

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医師法では、医師の指示のもと、看護師が医療行為の補助をすることは許されています(今回の場合内診)。注射や点滴などがこれにあたります。どこのクリニックでもやっていることですよね。

この法律に基づいて、今までは、内診は医療行為の補助として、医師の指示の元、多くの産院で行われていました。

産婦人科医会も、会員に(赤ちゃんを取り上げるのは医師だが)内診は看護師でもよいと指導して来ました。

ところが、2002年の厚生省の看護課長の通達により、急に内診は、助産師に限ると限定されてしまったのです。

これは、保助看法と呼ばれる、保健師、助産師、看護師のための法律です。この法律だと、助産(内診もふくむ)は助産師のみが行ってよいもので、看護師には許されていません。

ここに、医師法と保助看法に矛盾があるのです。

昔むかしこの法律ができた時代は、まだ施設分娩(病院、クリニックでの分娩)が少なく、ほとんどが自宅での助産師による分娩の時代です。

その後急激に施設分娩が広まり、それと共に、日本の周産期死亡率は低下、いまや99%が施設分娩となり、世界一の安全なお産ができる国になりました。

自宅分娩するに際して、お産を取り扱う資格を助産師に与えたのが、保助看法だったのです。

その後の、施設分娩では、当初は助産師はいませんでした。だんだんに大きな病院、国公立から、施設で働く助産師が増えてきました。今では、開業する助産師のほうが少数です。

みんな、助産所でのお産はリスクが高いと知っているからです。

では、なぜ今になってこのことが取りざたされるようになったのでしょう。

施設で働くようになった助産師達は、自分の権利(既得権益)を守ろうとして、ただの看護師には、お産にたずさわれない様にするため、この通達を厚生労働省の看護課長(助産師)が出したのです。

ただこの通達は、現状を無視したものでした。全国の分娩を取り扱う施設に十分な助産師を配置するとなると、数千人も足らないのです。

今回起こった無資格助産という報道の裏側はこんな感じです。

内診は、注射などよりずっと非侵襲的で技術的にも難しくないものです。この出来事も、日本の周産期医療jを危機的状況にしている一因です。

ながなが書きましたが、読んでいただきありがとうございました。

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医療」カテゴリの記事

コメント

もの凄く同感してます。しかし雲竜さんのような影響力のあるひとであれば、ブログでの個人的発言だけではなく、様々な形で規制当局へのアピールも含めて公式発言してください。さすれば、マスコミも動員して、いまの医者バッシングに対して本当のことを広めていける気がします。県立大野病院の地裁結審も3月にありますし、是非、公式発言してくださいね。

投稿: あきちゃん | 2007年2月 5日 (月) 00時04分

私は雲流先生のブログを拝見させて頂くようになって、大野病院の事や今の医療の取り巻く現状を知る様になりました。先生のブログがあって良かったと思っています。
あきちゃんの様に私も公式の場で多くの人に知って貰えるよう、発言は賛成です。先生任せではなく私達も広めていけたらなぁ、と思います。だからこれからも色んな事を教えて下さいね。
応援してます。だけどあんまり無理しないで下さいね。

投稿: まるまる | 2007年2月 5日 (月) 19時18分

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