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2007年12月17日 (月)

胚移植上限2個に!

子宮に戻す体外受精卵は原則上限2個に…産科婦人科学会

12月15日21時22分配信 読売新聞


 日本産科婦人科学会(吉村泰典理事長)は15日、理事会を開き、体外受精で子宮に戻す受精卵の上限数を、従来の原則3個から2個とする会告(指針)の改正案を承認した。

 母子への危険性が大きい多胎妊娠を防ぐのが狙い。

 ただし2個戻した場合、依然として多胎妊娠の可能性が高いため、会告に「子宮に戻すのはできるだけ1個を目指す」と付け加える。今後、学会員の意見を聞いた上で、4月の学会総会で正式決定する。

 同学会は、多胎妊娠を防ぐため、子宮に戻す受精卵の数を会告で原則3個以内としてきた。

 しかし、最近の生殖医療技術の発展で、子宮に戻す数を1~2個に減らしても妊娠率は変わらず、すでに国内の不妊治療施設では2個以内が主流になっていることから、会告を改正することにした。

最終更新:12月15日21時22分

読売新聞
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不妊治療における多胎妊娠は、妊娠中、分娩ともにリスクが高く、できるだけ避けなければなりません。
当院では、開院当初より、胚移植は1個としてきました。
それでも、高い妊娠率が出ています。
できれば、双子がいいという方や、できるだけ妊娠率を上げたいので2個戻して欲しいとお願いされる方もいらっしゃいますが、妊娠した後のことも考え、単一胚移植を勧めております。
妊娠がゴールではなく、始まりだからです。

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2007年10月31日 (水)

学会報告(生殖医学会)

先日秋田で行われた、生殖医学会に参加してきました。

秋田は、思ったより寒くなく、のんびりしたところでした。

秋田美人といわれるように、その気候のよさ、湿度加減が、お肌に非常によろしいようです。

さて、学会報告ですが、最近はこれといって新しい情報は少なかったです。

生殖医療(不妊治療)も、大分洗練されてきて、細かい話が多くなってきています。

胚盤胞移植では、D6よりもD5での移植のほうが、成績が良いというのが、各施設から報告が多かったです。

これは、当クリニックでも同様で、D6で移植するよりは、凍結しておいて、次の周期のD5(排卵してから5日目)に移植する方が成績が良いようです。

D6以降になると、子宮が着床しづらくなるようです。

あと、体外受精の反復不成功例に対しての、抗リン脂質抗体症候群の検査や治療(へパリンやアスピリン)は、現在のところ有効性がないので、するべきではないとの見解が示されました。

抗リン脂質抗体症候群は、流産を繰り返す場合のみに検査治療を行うのが望ましいようです。

そんなところでしょうか、また思い出したら報告します。

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2007年8月31日 (金)

学会報告

妊娠しない理由のひとつに、子宮内膜が厚くならない原因があります。

内膜が厚くならないと、卵が子宮にくっつかない、着床障害を起こします。

最低6-7mmくらいの内膜厚が必要です。

内膜が厚くならない原因のひとつに、子宮内膜ソウハ術の既往があげられます。

この手術は、人工妊娠中絶術や流産手術の時に行うものです。

この手術が原因で、妊娠しにくくなることがあると、報告がありました。

以前から言われていたことですが、きちんとしたデータと共に発表されると説得力があります。

人工妊娠中絶術を受けることを避けていただくようお願いをすると共に、我々はこの手術の際できるだけ子宮に負担をかけないよう心がける必要があります。

でも、妊娠しにくくなるのは、稀なことなので、あまり心配しないでくださいね。

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2007年8月30日 (木)

受精着床学会

受精着床学会が、今日明日の2日間仙台で行われます。

私も参加するため、昨日の夜仙台に来ました。

昨夜は、他施設の先生方と、情報交換と親睦会ということで、食事会がありました。

やはり、いろいろな考えを持つ先生方と話をするのは、刺激になります。

今日は、学会で少しでも新しい情報を得られるよう、勉強してきます。

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2007年6月11日 (月)

30代出産女性「不妊治療受けた」13%・日経調査

30代出産女性「不妊治療受けた」13%・日経調査

 不妊治療を受ける女性が増えている。日本経済新聞社が、2006年に出産した30代女性を対象に5月下旬に実施した調査で、「不妊治療を受けていた」との答えが13.8%あった。少子化対策として不妊治療費の負担軽減が必要と指摘する声も43.8%に上った。出産数の過半数を占める30代女性の間で、不妊治療に抵抗感が薄れ、期待が大きいことがわかった。

 調査は06年の合計特殊出生率が1.32と、6年ぶりに回復したことをきっかけに実施した。妻の受診率13.8%に対し、「夫が受けていた」と回答したのは3.5%だった。不妊治療を受けた回答者のうち、勤務先企業や自治体の助成制度を利用したのは15.1%にとどまった。

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06年の出生率が、一時的にせよ上がったのは良いことです。

その中には、不妊治療をされている方が多く含まれていると言うことですね。

「不妊治療に抵抗感が薄れ期待が大きいことがわかった。」とあります。

できるだけ、抵抗感を少なくし、大いに期待していただけるよう、より一層努力する必要があります。

さまざまな場面で、情報発信していくよう努めたいと思います。

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2007年6月 4日 (月)

タバコの害!

喫煙は精子を損傷、子孫のDNAに悪影響も=カナダ研究

6月3日18時11分配信 ロイター

[ワシントン 2日 ロイター] 喫煙によって精子が損傷を受ける可能性があり、遺伝子を通じて子供へも悪影響があるという研究結果が報告された。カナダ保健省の研究者が今週発行の学術誌「Cancer Research」で発表した。
 マウスを使って実験を行った同研究によると、たばこの煙が精子の細胞のDNAに変異を起こすことが分かったという。こういった突然変異は、遺伝情報に永久的な変化をもたらすとされている。
 同研究の責任者で、保健省の環境職業毒性学担当のキャロル・ヨーク氏は、「これらの変異が遺伝したら、子孫の遺伝的構成物の中に不可逆変化として存続します」と指摘。「母親の喫煙が胎児に悪影響することは周知のことですが、父親による喫煙の方も、それが母親と出会う前であれ、子供に悪影響を与える可能性が示されました」と述べた。

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タバコを吸う男性には悲しいお知らせです!

昨今では、どこに行ってもタバコを吸うのは肩身がせまいですね。

私も30歳まで、タバコを吸っていました。でも時代の流れですね。なんとか禁煙し、今ではタバコの煙も嫌になりました。

以前より、タバコをカップルのどちらか一方でも吸っていると、妊娠率が低いと言う報告はありました。

しかし、今回の報告は、それよりも強烈です。妊娠しにくいだけでなく、精子の遺伝子が傷つけられ、それが子孫にずっと影響すると言うのです。

今吸ったタバコのために、子供だけでなく孫や、その先にもずっと悪影響があるというのです。

男性のみなさんタバコをやめましょう。今すぐやめましょう!

もちろん女性もです!

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2007年5月28日 (月)

体外受精児が男児出産

国内初、03年に自然妊娠-宮城

5月27日11時31分配信 時事通信


 東北大で実施された国内3例目の体外受精で1984年に生まれた女性(23)が、2003年に自然妊娠し、男児を出産していたことが27日、分かった。
 東北大で当時、体外受精を手掛けたスズキ記念病院(宮城県岩沼市)の鈴木雅洲院長によると、体外受精児による出産が確認されたのは国内初。生まれた男児は健康に成長しているという。
 鈴木院長によると、出産した女性は東北大が実施した国内3例目の体外受精児として、84年2月に誕生。結婚後に自然妊娠し、19歳だった03年8月に男児を出産した。
 東北大では83年10月の国内1例目、同年12月の2例目と3例続けて体外受精で女児が誕生しているが、出産したのは3例目の女性が初めてだという。いずれのケースも、鈴木院長が東北大で携わった。
 鈴木院長は「体外受精児も普通の赤ちゃんと変わりがないことは理論的には分かっていたが、現実にも証明できて大変良かった。全国の不妊治療を受けた患者さんも安心すると思う」と話している。 

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初めて体外受精で誕生した、ルイーズ・ブラウンさんや、その妹のナタリー・ブラウンさんも妊娠出産していますが、世界的にもまだ数が少ないと思われます。

これでまたひとつ体外受精の安全性が認められました。

我々は、この技術をさらに安全に多くの人に提供したいと思っています。

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2007年4月28日 (土)

体外受精はリスク大?

体外受精はリスク大 胎盤早期はく離、自然妊娠の5倍

. 体外受精による妊娠は、胎盤や臍帯(さいたい)(へその緒)に異常が発生する頻度が自然妊娠を大幅に上回るとの調査結果を、聖路加国際病院(東京)の酒見智子医師らがまとめた。京都市で開催中の日本産科婦人科学会で16日、発表する。

 それによると、胎盤が子宮から早くはがれてしまい、胎児に危険が大きい「胎盤早期はく離」は自然妊娠の約5倍。酒見医師は「体外受精をするカップルに、こうしたリスクがあることを知らせるべきだ。医師も経過を慎重に観察する必要がある」としている。

 調査は、同病院で平成15年8月から18年3月に出産した、自然妊娠の2454人(妊婦は平均約33歳)と、体外受精による妊娠195人(同約38歳)が対象。同病院での体外受精は40人で、残りは外部での実施だった。

 胎盤早期はく離は自然妊娠の0.53%に対し体外受精では2.56%。通常は子宮の上部にある胎盤が下の方にできてしまう「前置胎盤」は、同0.57%に対し5.64%。へその緒が胎盤ではなく、卵膜につく「臍帯卵膜付着」という異常は、0.53%に対し5.67%だった。

 体外受精の妊婦の方が高齢のため、その影響もあり得るが、年齢差を補正して分析しても異常は体外受精の方が多かったという。

 妊娠異常をめぐっては米疾病対策センターが今年3月、約16万人の調査で、体外受精では胎盤早期はく離の割合が自然妊娠の約4倍との結果を発表。酒見医師は「日本もほぼ同じ傾向であることが今回示された」と話している。

(2007/04/15 23:04)

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体外受精はリスクが高いのでしょうか?

常位胎盤早期剥離について考えて見ましょう。

この病気は、通常分娩後剥がれるはずの胎盤が、まだ赤ちゃんがお腹の中にいるうちに、剥がれてしまう病気です。すると、赤ちゃんに血液がいかなくなり、非常に重篤なことになります。

この病気は、母体と胎盤の間で起こる病気です。体外受精がいけないというより、体外受精を受ける母体に異常があると考えるべきです。

胎盤早期剥離は、高齢妊娠、子宮奇形、子宮筋腫、血栓傾向のある場合(抗リン脂質抗体症候群)などの場合、なりやすいと教科書には書いてあります。

おそらく、体外受精を受ける方たちの中には、これらの病気を持つ人が多いと考えられます。

そのため、胎盤早期剥離の頻度が高くなっているのでしょう。

もう少し詳細な検討が待たれますが、上記のような、疾患がなければ、あまり心配しなくて良いと思われます。

もうひとつ考えられるのが、排卵誘発剤の影響です。通常は赤ちゃんにならないはずの卵子を取り、受精させることで、自然の妊娠とは違った状況になっているのかもしれません。

さらに、その卵子を複数移植することにより、多胎妊娠がおこります。多胎妊娠は、異常妊娠のリスクが非常に高くなります。

基礎的な疾患がなければ、体外受精は心配することないでしょう。さらに、誘発剤を少なくし、多胎妊娠を避ければ、今回の報告のような異常はあまり起こらないのではないかと思われます。

しかしもし基礎的な疾患がある場合は、妊娠経過を慎重に見ていく必要があるでしょう。

どちらにしても妊娠するために体外受精がベストの方法なら、躊躇する必要はないでしょう。しかし、リスクを軽減するためにその方法は検討する必要があるでしょう。また、妊娠した際には、可愛い赤ちゃんを抱くまで、油断は禁物です。

今度当院での体外受精後の分娩も調べてみようと思います。

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2007年4月20日 (金)

不妊治療中に検査怠り死亡-産科医に賠償命令

四国新聞 2007/04/18 10:32

 不妊治療中に脳梗塞(こうそく)で死亡したのは必要な検査をしなかったためだとして、37歳で死亡した愛媛県今治市の女性の遺族が、松山市の産婦人科開業医に約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁は17日、約7000万円の支払いを命じた。一審松山地裁は、請求を棄却していた。

 判決によると、女性は2001年6月からこの医院で体外受精による不妊治療を開始。ホルモン剤注射後に「口が開きにくい」「首に痛みがある」などと訴えたが、医師は治療を継続した。女性は翌月、放心状態になり別の病院に搬送され、6日後に死亡した。

 馬淵勉裁判長は判決理由で「ホルモン剤の投与で血液濃縮が起き血栓症を発生させた」と指摘。「医師は治療の開始時や女性が体調不良を訴えた際、血液検査する注意義務があったのに一度しか検査しなかった。検査して治療法を変更していれば、死亡しなかった」とした。

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排卵誘発剤の副作用と思われます。

このケースで、過失があったかはわかりませんが、排卵誘発剤を多用すると、排卵後(採卵後)卵巣が腫れてしまう、卵巣過剰刺激症候群になることがあります。

ひどくなると、腹水がたまります。腹水とは、血液中の水分がおなかの中にたまることです。

おなかが、たぷたぷになって、張って苦しくなりますが、それだけではありません。

血液中の水分が少なくなるため、血液がドロドロになってしまいます。

そうなると、血液が詰まりやすくなり、脳梗塞や肺梗塞・心筋梗塞などを起こしやすくなります。

重い後遺症を残したり、今回のように死に至ることもあります。

排卵誘発剤は、必要な薬ではありますが、極力使用量を減らしたり、注意深く使用する必要のある薬です。

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2007年3月19日 (月)

多胎妊娠防止へ学会指針、35歳未満は初回移植1個

多胎妊娠防止へ学会指針、35歳未満は初回移植1個

「不妊治療専門医の団体である日本生殖医学会(岡村均理事長)は16日、母子への危険が大きい多胎妊娠を減らすため、体外受精の際に子宮へ移植する受精卵の数を、35歳未満の患者に対する初回の移植では1個に制限することなどを内容とする指針を決定した。

 これを受けて、日本産科婦人科学会も4月から、従来の指針の見直しに着手する。

 産科婦人科学会は1996年に、体外受精の際に移植する受精卵は3個以内とする指針を決めた。生殖医学会の指針では、それに加えて、多胎妊娠の危険性が高い40歳未満は2個以下、とくに35歳未満の初回患者は1個に制限するとした。

 移植する受精卵を減らすのは世界的な流れ。この指針に強制力はないが、生殖医学会のホームページに掲載して、医師や患者などに周知を図る。産科婦人科学会も、今回の指針を参考にしながら、96年に定めた指針の見直しを進める。」

3月17日0時2分配信 読売新聞

不妊治療における多胎妊娠は、近年非常に問題になっています。

多胎の場合、妊娠分娩におけるリスクが非常に高いからです。

佐藤病院でも、昨年より移植数は2個以下にするように制限してきました。

しかし、実際のところ、3個から2個に減らしても多胎妊娠はあまり減らないのが現状です。

妊娠するときは、2個戻すとうまく妊娠して双胎になってしまうのです。

今年から高崎ARTクリニックを開設し、こちらでは、全て1個移植にしております。

妊娠率もそれほど低下せず、多胎のリスクを減らせると思っています。(一卵性双胎はありえる)

指針では、40歳以下は2個移植(40歳以上は3個移植してもいい)となっていますが、40歳以上で多胎となったときの方が、妊娠中のリスクが高いので、全ての年齢において、多胎妊娠を減らすよう努力した方がいいでしょう。

よい卵は、凍結して次の周期に移植すればよいのです。

医療側には施設の成績(妊娠率)を上げようと、リスクの高い治療を勧めることが、少なくなることを願います。

また患者様も、リスクを知らず、「一度に二人できればラッキー」くらいの感じで、双子を望まれることのないよう、お勧めします。

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