不妊治療

2012年8月22日 (水)

卵巣年齢知ってます?

卵巣には、もともと決まった数の卵子があります。

それが毎月ひとつずつ排卵されていきます。
この卵巣にある卵子の残り数を検査するのが卵巣年齢と言われるAMH検査(アンチミューラリアンホルモン検査)です。

卵子の残り数が少ない女性は、あまりのんびりせず、早めの妊娠を心がけた方が良いことになります。
また不妊治療の場合には、この値により治療法や排卵誘発方法を決定することもあります。

タバコを吸う女性や子宮内膜症の女性、また卵巣の手術をしている女性は、卵巣年齢が悪いことが多いです。
どういった場合に卵子が少なくなったり、どうすれば少なくならないかなど、まだまだわかっていないことも多いですが、限りある卵子を守るため、食事や運動、睡眠など生活習慣に気をつけ、ストレスをためないようにすることはとても大切なことだと思います。


「タニタとつくる美人の習慣」という本に、“卵巣年齢を知って人生設計を立てる時代”というコラムを書かせていただきました。ぜひご一読ください。

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2012年8月 8日 (水)

鉄分不足は不妊の第一歩

肩こりや頭痛、手足の冷え、不眠、疲れがなかなかとれないなど、そんな体の不調
を感じていませんか?


そういった症状は実は貧血、いわゆる鉄分不足から来ていることが多いのです。
貧血かどうかは血液検査のヘモグロビン値だけでなく体内の貯蔵鉄を調べるフェリチンで
も確認できます。
この貯蔵鉄が減ってしまうと、隠れ貧血と言ってさまざまな不調が引き起こされます。

鉄分が豊富な食材といえば、ホウレンソウやプルーンなどを思い浮かべますが、植物性のものは意外と鉄分を吸収しにくいので、ヘム鉄である動物性の鉄分のほうがおすすめです。
赤身のお肉やレバーなどに多く含まれるので、これらを毎日の食事にうまく取り入れるとよいでしょう。


貧血になると全身の血の巡りが悪くなり、子宮や卵巣への血液の流れも滞ってしまうので、気になる方は貧血の精密検査を受けて、鉄分が足りているかどうかを調べてみてください。

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2012年8月 1日 (水)

子宮筋腫は不妊の原因になる?

子宮筋腫は30代から40代に多く見られる婦人科の代表的な疾患です。

筋層内や、子宮の中にできる粘膜下筋腫は、生理痛や月経量の増加などの症状を引き起こします。
子宮の外側にできる漿膜下筋腫は症状もなく、大きくなるまで気がつかないことがあります。
子宮内腔を変形させる筋腫は、卵子の着床を障害するため妊娠しにくくなります。
またある程度の大きさの筋腫やその位置によっては、卵管の働きを妨げるため、排卵した卵子の卵管内への取り込みがうまくいかずやはり妊娠しにくくなります。


最近では筋腫のこぶだけを取る核出手術も大きさによっては、お腹を切らずに小さな穴を開けて行う腹腔鏡手術でできるようになっています。

なかなか妊娠しない場合や、妊娠後にトラブルになりそうな大きさの筋腫は、早めに核出手術を検討した方がいいかもしれませんね。

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2008年10月27日 (月)

凍結胚移植によるIVFで児の先天性奇形リスクは上昇しない

〔スペイン・バルセロナ〕コペンハーゲン大学病院Rigshospitalet(デンマーク・コペンハーゲン)のAnja Pinborg博士は,凍結胚を解凍後,子宮に戻す凍結胚移植(FER)で生まれた新生児は,新鮮胚から生まれた小児よりも出生体重が大きかったと,欧州ヒト生殖・胎生学会(ESHRE)第24回年次集会で報告した。母親の妊娠期間は長くなっていたが,児の先天性奇形リスクは上昇しないという。

神経学的後遺症のサブ解析はこれから

 Pinborg博士らは,1995〜2006年にデンマークでFER後に生まれた児1,267例を調べた。児を,(1)冷凍保存体外受精(IVF)後に生まれた(878例)(2)冷凍保存顕微授精(ICSI)後に生まれた(310例)(3)胚の作製方法が不明(79例)―の3群に分類し,同期間に新鮮胚を使ったIVF/ICSIにより生まれた1万7,857例を対照群とした。また,先天性奇形を含む児のアウトカムデータは,デンマーク国家登録から入手した。
 不妊カップルは胚を凍結することで,1回の採卵で数周期のIVF/ICSIを試みることが可能となる。凍結胚は後日融解され,排卵の3〜5日後に,新鮮胚と全く同様の方法で子宮に移植される。この技術により,卵巣刺激と採卵回数を少なくすることができる。
 同博士らによると,FER群の多胎妊娠率は同等(ICSI 11.7%,IVF 14.2%)だったが,新鮮胚群では多胎妊娠率がかなり高かった(ICSI 24.8%,IVF 27.3%)。母親の年齢はFER群で有意に高かった。妊娠期間は,FER群の母親で有意に長く,出生体重はFER群で約200g多かった。低出生体重の比率はFER群の児で有意に低く,早産率も低かった。
 同博士は「さらに,新生児集中治療室に入院した児の数もFER群で有意に少なかった。ただし,単胎出産に限定すればこの差は認められなかった。特に重要なことは,FER群で先天性奇形リスクの上昇が認められなかったことである。FER群の先天性奇形発生率は7.1%,新鮮胚群では8.8%であった」と説明。「凍結と融解が及ぼす影響について過去に懸念が表明されてきたが,今回の研究はその不安を払拭するものである。これまで,スウェーデンから大規模な出生登録をもとにした研究が1件あっただけで,データが限られていた。なお,その研究でも今回と同じ結果が示されている。われわれの知見は,特にスカンジナビア諸国では1個の胚移植がゴールドスタンダードと考えられていることから重要である。このことは,FERの施行が徐々に増えてきていることを意味するものだ。したがって,われわれは,FERが子孫に有害な影響を残さないことを確認したいと考えた」と述べた。
 さらに,同博士は「今回の知見はわれわれを安心させてくれるものである。しかし,先天性奇形とFERの神経学的後遺症に関するサブ解析はまだ行われていない。今回のポジティブな結果が今後も維持されれば,FERは全く安全な方法として受け入れられ,現在よりももっと頻繁に行われるようになるであろう」と結んだ。

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2008年3月26日 (水)

胚移植

体外受精の中でも、重要なのが胚移植です。

受精した卵を、子宮の中に戻すことを胚移植と言います。

まず子宮頚部を過ぎたあたりまで、細いカテーテル1を入れます。

経腟超音波を見ながら、このカテーテル1の先端を、子宮体部の一番手前の位置にセットします。

受精卵を吸ったさらに細いカテーテル2を、セットしたカテーテル1の中を通し、ゆっくり子宮の中に入れていきます。

カテーテル2の先端は、超音波で確認しながら、子宮の奥深くまで進めていきます。

この際、できるだけ子宮内膜を気づ付けないよう注意します。

子宮内膜は、受精卵がくっつくベッドです。

できるだけ“ふあふあ”の状態が良いのです。

子宮の一番奥より1cmくらい手前に、置いてくるようにカテーテルから卵を出します。

カテーテルの中には、受精卵と培養液が入っています。これを注射器で押し出します。

超音波で、子宮の中に受精卵と培養液が出るのがわかれば、終了です。

あとは、うまくいくようにお祈りします。

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2008年3月25日 (火)

顕微授精

顕微授精は、通常の体外受精で受精しない場合や、精子の数が少ない場合に行われます。

卵子には、透明帯と呼ばれる殻があります。精子が少なかったり、受精の力が弱い場合、この殻を通り抜けることができないことがあるのです。

細いガラスピペットの中に精子を1つ入れ、そのピペットを卵子に刺します。

透明帯を破り、卵の細胞質の中まで、ピペットを進め、精子を卵の中に置いてきます。

現在は、技術的にも安定しており、受精率は、80-90%と高率になっています。

ただ、1個の卵子に多数の精子を入れ、自然淘汰のうえ勝ち残った精子が受精する体外受精と違い、われわれが選んだ精子を使ってしまうので、自然の受精とはちょっと違う感じがします。

そのため当院では、できるだけ通常の体外受精を行うよう心がけております。

しかし、顕微授精で妊娠した場合も、生まれてくる子に異常があったりする確率は、通常の体外受精や、自然妊娠と変わらないと言われていますので、必要があれば行っても心配いらない技術です。

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2008年2月11日 (月)

ピックアップ障害の治療3

原因不明不妊の多くは、ピックアップ障害と考えられますが、その場合腹腔鏡検査をする事があります。

従来のステップアップ治療の場合、排卵誘発、人工授精などを経てなお妊娠されない場合、原因不明不妊として、体外受精の前に、腹腔鏡検査を行いました。

近年腹腔鏡手術技術は向上し、日帰り(含1泊2日)検査が可能となり、不妊治療のひとつとして行われてきました。

本当にピックアップ障害なのか、お腹の中にカメラを入れて、卵管や卵巣、子宮を観察する手術です。

結果、3割くらいの人に異常が見られました。卵管の異常や、初期の内膜症などです。程度がひどい場合には、体外受精の適応となります。

問題ない場合は、さらにタイミング療法や、人工授精が続けられました。

術後1年くらいの妊娠率は、2-3割です。

お腹に傷をつけて、手術までして、2-3割の人しか(1年かけて)妊娠しないため、最近では否定的な報告が多くなっています。

卵管および卵管采(卵子を取り込むところ)は、デリケートな臓器のため、見た目ではその働きは判らず、ピックアップ障害の外科的治療も確立されていません。

最近では、ピックアップ障害の唯一の治療が、体外受精と考えられるようになってきています。

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2008年1月17日 (木)

ピックアップ障害の治療2

原因不明不妊の多くは、ピックアップ障害と考えられますが、どんな治療が良いのでしょう。

排卵誘発剤を多用することにより、たくさんの卵子が排卵されます。

するとその中のいくつかが、運よく卵管にピックアップされるかもしれません。

それを期待して、排卵誘発剤を使いました。「数打てば当たる」方式です。

しかしそのため、多胎妊娠や卵巣が腫れてしまう副作用が多くなってしまいました。

年齢が高い方だと、排卵誘発剤で、卵巣の働きがだんだん悪くなってしまうこともあります。

でも、現在1番問題なのは双子などの多胎妊娠です。

原因不明不妊(ピックアップ障害)の場合、排卵誘発剤を使って性交渉(含人工授精)を持っていただく治療を行ってきました。

でもただ妊娠すればいいという治療は、もう考え直すべきでしょう。

先日若い患者様に聞かれました。

「先生。ピックアップ障害と言われたけど、体外受精しかないのですか?」

「排卵誘発剤でたくさん排卵させれば、もしかしたら通常の性交渉で妊娠するかもしれませんが、お勧めしません。」

“多胎妊娠は、不妊治療の失敗である”とさえ言われている中、治療法も良く考えていかなければなりませんね。

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2008年1月16日 (水)

ピックアップ障害の治療

ピックアップ障害:排卵された卵を卵管が取り込めず、精子と出会えない状態

ピックアップ障害の場合、卵子と精子を出会わせるため、体外受精が必要とお話しました。

ピックアップ障害の場合、本当に体外受精しか治療はないのでしょうか?

以前から言われる原因不明不妊の多くが、このピックアップ障害と考えられます。

体外受精が、今ほど普及する前、我々はこの原因不明不妊に対して、色々な試みを

行ってきました。

その代表的なものの1つが、排卵誘発剤の多用であり、もう1つが腹腔鏡検査です。

どちらにも、問題がありました。

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2007年12月 2日 (日)

体外受精したのに受精しない!

体外受精したのに受精しないことがあります。

卵の原因なのでしょうか?それとも精子?

どちらの場合も考えられます。

卵子には、周りに細胞を守るための殻があります。

これを透明帯と言います。

この透明帯が固かったり、厚かったりすると、精子が中に入れず、受精しない原因となる事があります。

固かったり厚かったりの原因は判りませんが、排卵誘発が問題だったり、年齢が問題だったり、たまたまなのかもしれません。

精子の原因も考えられます。

精子数が少ない方や、運動率が悪い方の場合、やはり受精率も悪くなります。

精子の頭の部分にある酵素で、卵の殻を溶かして中に入るのですが、この酵素が弱かったり、尻尾を振って前進する力が弱かったりが、殻の中に入れない原因です。

また、殻の中に入った精子が、卵とくっついても、精子からの卵を分割させる信号が弱い場合には、やはり受精しないことになります。

いろいろな原因が考えられていますが、それを証明するのは難しく、結局体外受精で受精しない場合には、顕微授精により受精させる方法をとることとなります。

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